ABSTRACT 78(4-1)
 一般演題一覧 トップ 


NOによる遺伝子発現変化のDifferential Display法による検討:陳勁松1、 倉島由紀子、 木村秀生、 小倉勤、 田尻久雄2、 吉田茂昭、 江角浩安1 (1国立がんセ・研・支所・がん治、 2国立がんセ・東病・内)

Analysis of Gene Regulation by Nitric Oxide using Differential Display: Keisho CHIN1, Yukiko KURASHIMA, Hideo KIMURA, Tsutomu OGURA, Hisao TAJIRI2, Shigeaki YOSHIDA, Hiroyasu ESUMI1 (1Inv.Treat.Div.,Natl. Cancer Ctr.Res.Inst.East, 2Dept.Int.Med., Natl.Cancer Ctr.Hosp.East)

【背景・目的】生体内シグナル伝達物質であるNOによりHIF-1が活性化されVEGF(vascular endothelial growth factor)が誘導される事を明らかにして来たが、この反応はNOを媒体とした危機回避反応と考えられた。この反応を全体的に明らかにするためNOにより発現調節を受ける遺伝子群を把握することを目的とした。【方法】ヒト神経膠芽腫A172細胞を自発的NO放出物質SNAP処理しDifferential Display及びNorthern Blotにて発現変動する遺伝子を検索した。【結果】SNAP処理でRT-PCRにて発現差のある47bandを見出し、このうちmRNA levelで発現変動が顕著な3つについて詳しく解析した。これらは各々3.2kb、2.4kb、3.2kbのサイズで、NO処理後6時間で6.1倍、3.6倍、3.4倍の発現増加があった。Methylene Blue同時処理により抑制されることからNOによるGuanylate Cyclaseの活性化に起因すると考えられた。このうち1つは未知の遺伝子で他は検討中である。これらの生物学的役割について述べる。