ABSTRACT 79(4-1)
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乳がん細胞 MCF-7 における NOR-1 及び Nurr1 標的遺伝子の探索:丸山宏二, 長崎光一, 塚田俊彦, 細野哲司, 大倉永也, 佐々木一樹, 山口 建(国立がんセ・研・ 細胞増殖因子)

Identification of the target genes of NOR-1 and Nurr1 in breast cancer cell line MCF-7: Kouji MARUYAMA, Koichi NAGASAKI, Toshihiko TSUKADA, Tetsuji HOSONO, Naganari OHKURA, Kazuki SASAKI, Ken YAMAGUCHI (Growth Factor Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

【目的】NGFI-B, Nurr1 及び NOR-1 は、nuclear receptor superfamilyに属し、NGFI-B subfamily を形成する。これら三者のうちNOR-1は、粘液性軟骨肉腫において染色体転座によりEWSと融合遺伝子を形成し、腫瘍発生に関わることが知られている。また、NGFI-Bは肺がん及び乳がん細胞においてレチノイン酸情報伝達系の修飾により細胞増殖に関与することが示唆されており、がんの発生・進展におけるこのsubfamilyの役割が注目されている。今回、我々は乳がん細胞MCF-7を用いて、NOR-1及びNurr1の標的遺伝子の探索を行った。【方法】MCF-7細胞にNOR-1あるいはNurr1発現ベクターをトランスフェクトし、恒常的にそれぞれの遺伝子を発現しているトランスフォーマントを作出した。これらの細胞とコントロールベクターのトランスフォーマントからRNAを抽出し、differential display法により発現の変化している遺伝子を単離、塩基配列を決定した。【結果】Nurr1 と NOR-1 両トランスフォーマントにおいて発現の増加する遺伝子として、trefoil protein pS2, ribosomal protein S3a 及び TIS11D の3種類の既知遺伝子と、ESTとして登録されている3種類の未知遺伝子が単離された。これらの遺伝子は、Nurr1及びNOR-1による転写調節の標的遺伝子の候補と考えられる。