ABSTRACT 81(4-1)
 一般演題一覧 トップ 


TNF-αによって誘導されるNFkB活性化のconophyllineによる阻害:合田仁、井上純一郎、梅澤一夫慶大・理工・応化、東大・医科研・制癌)

Inhibition of TNF-α-induced activation of NFkB by conophylline. :Jin GOUDA, Jun-ichiro INOUE2, and Kazuo UMEZAWA1 (1Dept. Applied Chem., Fac. Sci. Tech., Keio Univ., 2Dept. Oncology, Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

NFκBは、広範囲な遺伝子発現を制御する転写因子として炎症やアポトーシス抑制などに関与している。そこで、NFkB活性化を制御する薬剤は炎症性疾患や癌などの治療に有用と考えられる。今回、我々は、新しいvinca alkaloidのconophyllineがNFκBの活性化を阻害することを見い出し、さらにその阻害機構について検討した。ヒトT細胞白血病由来Jurkat細胞において、TNF-a刺激で誘導されるNFκBの転写因子活性をluciferase reporter gene assayで検討したところ、conophyllineは0.01-0.3μg/mlで濃度依存的に抑制した。さらにその抑制効果は、gel shift assayにより、NFκBのDNAへの結合を阻害したためであることがわかった。そこで、NFκBの内在性阻害蛋白質であるIκBαに対するconophyllineの影響を検討したところ、conophyllineはIkBaのリン酸化及び分解を阻害した。一方、conophyllineはJurkat細胞に対し、1μg/ml, 6時間処理でも毒性を示さなかった。conophyllineはIκBαのリン酸化及び分解を阻害することによって、TNF-αに誘導されるNFκBの活性化を抑制することが示唆された。