ABSTRACT 89(4-2)
子宮内膜前癌病変における遺伝子異常の解析:吉永浩介1, 3,笹野公伸2,古川徹1,山川洋光1, 3,佐藤信二3,矢嶋聰3,堀井明1(東北大 ・医・ 1分子病理,2病理形態,3産婦)
Genetic alterations in premalignant lesions of the endometrium:Kousuke YOSHINAGA1, 3,Hironobu SASANO2,Toru FURUKAWA1,Hiromitu YAMAKAWA1,3,Shinji SATO3,Akira YAJIMA3,Akira HORII1 (Depts. 1Mol. Pathol.,2Histopathol.,3Obst.Gynecol., Tohoku Univ.Sch.Med.)
子宮内膜腺癌の発生機序を遺伝子レベルから探求するにあたり,子宮内膜前癌病変について遺伝子異常の解析を行った。ホルマリン固定後パラフィン包埋された20例の病変(子宮内膜増殖症15例,増殖症・内膜腺癌合併5例)からマイクロダイセクション法にて腫瘍部と非腫瘍部の細胞を採取し,各々のDNAを抽出後,これまで我々が同定した子宮内膜腺癌において高頻度欠失の見られる10q25-q26の領域のmicrosatellite markerを用い,特異的染色体欠失およびmicrosatellite instability (MI)を検討した。その結果,前癌病変でも欠失は見られ,またMIも検出された。さらに,MI+の場合の標的遺伝子として推定されるBAX、IGFIIR、TGFbRII遺伝子の繰り返し配列領域の異常について解析した。また,子宮内膜腺癌において高頻度に異常が検出されたPTEN1についても遺伝子異常を解析したので報告する。