ABSTRACT 91(4-2)
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マウス移植および分化関連遺伝子MmTRA1aとMmTRA1bの構造と機能解析:粕壁 隆、角 純子、本間良夫(埼玉がんセ.研)

Characterization of mouse transplantability-associated gene (MmTRA1a) and its related gene(MmTRA1b): Takashi KASUKABE, Junko KADO, Yoshio HONMA (Saitama Cancer Center Res. Inst.)

私共が単離したtransplantability-associated gene 1(MmTRA1a)はマウス単球性白血病Mm細胞で移植性を示す亜株細胞(Mm-P)に強く発現し、移植性を示さない亜株細胞(Mm-S1)では殆ど発現しない。MmTRA1a遺伝子を移植性を示さない細胞に強制発現させると移植性を示した。さらに、正常マウスcDNAライブラリーからTRA1関連遺伝子NOR1(MmTRA1b)をクローニングした。MmTRA1a cDNAとMmTRA1b cDNAの塩基配列は5'側上流域で異なっているが残りの配列は全く同一であった。そこで、本年度は、MmTRA1aとMmTRA1bの構造的および機能的関係について検討した。MmTRA1a mRNA検出用プライマーを用いてMm-P細胞のgenomic DNAを鋳型とした場合のPCR産物と、Mm-P細胞のmRNAを鋳型とした場合のRT-PCR産物のサイズは一致した。一方、 MmTRA1b mRNA検出用プライマーを用いてgenomic DNAを鋳型とした場合、RT-PCR産物のサイズよりも大きいPCR産物が得られた。さらに、このPCR産物を鋳型としてMmTRA1a mRNA検出用プライマーを用いてPCRを行うとRT-PCR産物と同じサイズのPCR産物を検出することができた。これらの結果からMmTRA1aMmTRA1bは同じ遺伝子由来であること、および両者では転写開始点が異なることが示唆された。また、MmTRA1bをトランスフェクトしたMm-P細胞の細胞生物学的性質についても現在検討中である。