ABSTRACT 95(4-2)
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自己免疫性腸炎の自己抗原として同定された新しいPDZドメイン蛋白の解析:石川享1、小林一郎3、外木秀文1、細川真澄男2、守内哲也1(北大・医・1癌研細胞制御、2癌研病理、3小児)

Characterization of a novel PDZ domain-containing protein isolated as an autoantigen of X-linked autoimmune enteropathy: Susumu ISHIKAWA1, Ichiro KOBAYASHI3, Hidefumi TONOKI1, Masuo HOSOKAWA2, Tetsuya MORIUCHI1 (1Div. Cell Biol. and 2Pathol., Cancer Inst., 3Dept. Pediatr., Hokkaido Univ. Sch. Med.)

【背景・目的】我々は、自己免疫性腸炎の患者血清に特異的に反応する自己抗原として、新しいPDZドメインを有する蛋白の遺伝子を単離した。この蛋白は521アミノ酸からなり、3つのPDZドメインを有している。PDZドメイン蛋白は細胞間結合やシグナル伝達に重要な役割を果たすことが最近明らかにされた。我々はこの新しいPDZドメイン蛋白の局在を決定し、これに対する結合蛋白の同定を目的として実験を行った。
【結果・考察】このPDZドメイン蛋白は腸管、腎、膵で発現しており、腸管上皮および近位尿細管上皮の刷子縁に局在することが示された。酵母のtwo-hybrid systemを用いて、この蛋白に結合する蛋白の遺伝子をスクリーニングした結果、新規のcDNAクローンが単離された。このcDNAのコードするペプチドのC末端配列はDTFLであった。これはC. elegansのPDZドメイン蛋白LIN-7に結合する膜貫通レセプター型チロシンキナーゼLET-23のC末端配列ETCLと共通したモチーフ(E/D-T-X-L)で、一般的なモチーフ(T/S-X-V/I)と異なっていた。これらより、我々の単離したクローンは分化ならびにシグナル伝達に関与する蛋白をコードしている可能性が高い。