一般演題

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癌化のシグナルによるｃｄｋ４非依存的な細胞周期開始機構の誘導：神野茂樹,山本華子,Lin Jie,永田昭久,岡山博人（東大・医・分子生物）

Oncogenic sinal confers on NRK cells the ability of Cdk4-independent cell cycle start : Shigeki JINNO, Hanako YAMAMOTO, Jie LIN, Akihisa NAGATA, Hiroto OKAYAMA (Dept. Mol. Biol., Grad. Sch. Med., Univ. Tokyo)

NRK細胞は、EGFとTGF-bの存在下で可逆的に癌形質を示すラット正常腎線維芽細胞である。我々はNRK細胞を変異誘導剤で処理し、増殖因子存在下でも癌形質を示さない変異株を単離し、変異株の癌遺伝子に対する感受性や足場非依存性の増殖反応を調べてきた。そしてEGFによるシグナル伝達経路は癌化の経路と通常増殖の経路に分かれていること、そして足場非存在下でのＧ１からＳへの移行にはこの癌化の経路が必須であることを明らかとした。Cdk4はG1期の進行に必須であり、抗Cdk4抗体を通常増殖時のNRK細胞に微量注入することにより細胞周期の進行をブロックすることが出来る。しかし増殖因子により癌増殖を誘導したNRK細胞では抗Cdk4抗体は細胞周期の進行をブロックできない。従って癌化のシグナル伝達経路はCdk4非依存的な増殖開始機構を誘導することが示された。