ABSTRACT 124(4-5)
KW-2401(UCN-01)と既存制癌剤との相乗的併用効果−5-FUとの併用効果発現におけるS abrogation作用の寄与−秋永士朗,清水牧子,杉山和代,秋山忠和,玉沖達也 (協和発酵・医薬総合研)
Synergistic combined effect of UCN-01 with anti-cancer drugs−Contribution of S abrogation on the combined effect with 5-FU−Shiro AKINAGA, Makiko SHIMIZU, Kazuyo SUGIYAMA, Tadakazu AKIYAMA, Tatsuya TAMAOKI (Pharmaceutical Res. Inst., Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)
【目的】UCN-01は蛋白質リン酸化酵素を阻害する新しいタイプの抗癌剤であり、現在日本および米国で臨床試験が進められている。我々は、これまでにUCN-01が5-FU, CDDPおよびMMC等の既存制癌剤とin vitro およびin vivoで相乗的な併用効果を示すことを報告した。最近、S期作用性制癌剤とUCN-01との相乗的な併用効果は複数のグループから報告され注目されている。そこでそのメカニズムを詳細に知る目的で5-FUとUCN-01との併用効果発現におけるS abrogation作用の寄与について検討した。【方法】Flow cytometer(FCM)を用いたPropidium Iodite(PI)単染色法及びBrdU/PIあるいはTdT二重染色法による解析により検討した。【結果】UCN-01を5-FUと併用した結果、処理後早い時点では5-FUによるS期遅延作用がUCN-01により解除され、DNA合成が促進される傾向が見られた。その後併用群ではSからG2期のDNA含量を有しながらDNA合成を停止した画分が確認された。TdT/PI法と用いた解析の結果、併用群でが高頻度にapoptosisが誘導されている可能性が示唆された。【結論】5-FUとUCN-01との併用効果発現にはUCN-01によるS期集積作用のabrogation(解除)およびそれに伴うapoptosisの誘導が重要であると推論された。