ABSTRACT 128(4-5)
 一般演題一覧 トップ 


Human dlg 遺伝子産物( ショウジョウバエの癌抑制遺伝子 dlg のヒトホモローグ)の M 期特異的リン酸化:濱田文彦1,2、隅田周司1、松峯昭彦1、柳内浩之1、秋山徹1,31阪大・微研・発癌制御、2科学技術振興事業団・さきがけ研究21・「遺伝と変化」領域、3東大・分生研・分子情報)

M phase-specific phosphorylation of the human homolog of the Drosophila discs large tumor suppressor protein : Fumihiko HAMADA1,2, Shuji SUMIDA1, Akihiko MATSUMINE1, Hiroyuki YANAI1, Tetsu AKIYAMA1,3(1Dept. of Oncogene Res., Res. Inst. for Microbial Dis., Osaka Univ., 2"Inheritance and Variation", PRESTO, JST, 3Dept. of Mol. Genet. Info., Inst. for Mol. Cell. Biosci., Univ. of Tokyo)

細胞周期の制御は、サイクリン依存性プロテインキナーゼ (CDK) を中心に制御されていることが知られているが、 サイクリン、CDK インヒビターなどによる CDK の活性制御機構が明らかになりつつある一方で、CDK の下流に位置する基質については未だ不明の点が多い。我々は CDK の新しい基質の候補として、ショウジョウバエの癌抑制遺伝子 dlg のヒトホモローグである Dlg 蛋白質に着目した。Dlg 蛋白質は、G2/M 移行期から M 期にかけて Serine/Threonine 残基が強くリン酸化を受けること、in vitro において cdc2 のよい基質となること、M 期の細胞抽出液によっても、Dlg 蛋白質は強くリン酸化され、このリン酸化は抽出液から cdc2 を depletion することにより認められなくなることなどから、Dlg 蛋白質が cdc2 の生理的な基質であることが示唆された。このリン酸化が、細胞周期の進行において、どのような役割を担っているかを明らかにするため、現在研究を進めている。