ABSTRACT 147(4-7)
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Insulin Receptor Substrate-1(IRS-1)高発現による肝癌細胞におけるApoptosis回避能獲得の検討:伊藤敏文1,佐々木 裕1,堀本雅祥1,和田滋夫1,田中好男1,外山 隆1,笠原彰紀2,林 紀夫1,Jack R. Wands3,,堀 正二11阪大・医・一内,2阪大・医・総合診療,3ハーバード大・医・マサチューセッツ総合病院がんセ・分子肝臓病)

Aquisition of resistance to apoptosis by insulin receptor substrate-1 overexpression in human HCC cells:Toshifumi ITO1,Yutaka SASAKI1,Masayoshi HORIMOTO1,Shigeo WADA1,Yoshio TANAKA1,Takashi TOYAMA1,Akinori KASAHARA2,Norio HAYASHI1,Jack R. WANDS3,,Masatsugu HORI1 (11st. Dept. of Med. Osaka Univ. Sch. of Med.,2Dept. of General Med. Osaka Univ. Sch. of Med.,3Mol. Hepatol. Lab., MGH Cancer Ctr., Massachusetts General Hosp. and Harvard Med. Sch.)

[目的]insulinやIGFI・IIによる細胞内情報伝達機構においてIRSは最上流に位置し、細胞増殖のみでなくガン化やapoptosisの制御との関連が注目されている。我々は、ヒトIRS-1遺伝子がoncogene様の性質を持ち、ヒト肝ガンでのIRS-1の発現亢進をも報告してきた。今回、IRS-1高発現によるapoptosis回避機構について検討した。
[方法]ヒトIRS-1遺伝子をNIH 3T3細胞に導入し、また、IRS-1高発現を認めるヒト肝ガン由来のFOCUS細胞にIRS-1-antisense RNA発現vectorを遺伝子導入した。これらの細胞を用いて、apoptosis回避機構について検討を加えた。
[結果] FOCUS細胞は、apoptosis抵抗性を有しているが、IRS-1発現の抑制された細胞は、apoptosisへの抵抗性の低下が観察された。一方、NIH 3T3細胞は、IRS-1発現亢進により、細胞死抵抗性を獲得し、UV照射後はその細胞回転は停止しS期には入らないことが観察された。 [結語]細胞の形質転換だけでなくapoptosis抵抗性の獲得に働き、その際の細胞周期の調節に関与するIRS-1遺伝子は、肝ガンの発生や、進展、増殖に関与していることが示唆された。