ABSTRACT 148(4-7)
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アデノウイルスアポトーシス抑制因子、E1B19k蛋白と結合するヒトB5蛋白の機能:中島琢磨, 小田鈎一郎(東理大・基礎工・生物工)

Function of human mitochondrial protein B5, which binds to adenovirus E1B19k protein : Takuma NAKAJIMA, Kinichiro ODA (Dept. Biol. Sci. and Technol., Science Univ. Tokyo)

アデノウイルスE1B19kは細胞の核膜周辺に局在してラミン等と結合し、アポトーシスを抑制する。E1B19kによるアポトーシス抑制機構の詳細は不明であるが、局在性や結合する因子の違いから、Bcl-2、Bcl-XLとは異なる機能を持つと推定される。この機能の解明を目的とし、デキサメタゾンに応答してアデノウイルスE1Aを発現しアポトーシスを誘導するヒトKB細胞由来MA1細胞株より調製したcDNAライブラリーからTwo-hybrid法によりE1B19k結合因子B5を単離した。B5は219アミノ酸残基(aa)から成り、N末端側58 aaに特異的な配列をもつが、E1B19k結合性のNip3と約60%の相同性を持ちNip3ファミリーに属すると推定される。Two-hybrid assayの結果、B5はC末端側の疎水性領域でE1B19k、Nip3及びラミンと結合し、Bcl-2とは結合しないことが分った。E1B19kに特異的な機能に関与していると推定される。B5の欠失変異体をKB細胞に導入して一過性に発現させ、その影響をFACSで解析した結果 、N末端の31アミノ酸を欠失するとアポトーシスを誘導することが分った。B5のN末端の特異領域はアポトーシス抑制に関与していると推定される。