ABSTRACT 151(4-7)
 一般演題一覧 トップ 


ゲラニルゲラニオ−ルによるアポト−シス誘導課程におけるCaspase-3様活性依存的JNKの活性化:増田 豊、相内敏弘、橋本幸子、中条茂男、中谷一泰(昭和大・薬・生物化)

Geranylgeraniol induces JNK siganling cascade through caspase-3-like protease dependent mechanism:Yutaka MASUDA,Toshihiro AIUCHI, Sachiko HASHIMOTO, Shigeo NAKAJO, Kazuyasu NAKAYA (Lab.Biol.Chem., Sch. Pharm. Showa Univ.)

【目的】ゲラニルゲラニオ−ルは固形癌由来癌細胞を含む広範な種類の癌細胞に対し細胞増殖阻害作用を示し、白血病細胞や大腸癌細胞等それらの一部の細胞に対してはアポト−シス誘導作用を示す。本研究は、ゲラニルゲラニオ−ルによるアポト−シス誘導機構を明らかにする為に、Jun N-terminal Kinase(JNK)とCaspa-seとの関係について検討した。【方法】constitutively active MEKK1(△MEKK1)は、N末端側を切断した活性型MEKK1のcDNAをpRcCMVベクタ−にクロ−ン化して、K562細胞に発現させた。【結果】ヒト白血病U937細胞およびK562細胞をゲラニルゲラニオ−ルで処理すると、MAPキナ−ゼのうちのJNK活性が著しく増加したが、ERKやp38の活性変化は少なかった。側鎖の異なる他のイソプレノイド化合物では、JNK活性に与える影響はほとんど認められなかった。constitutively active MEKK1(△MEKK1)をトランスフェクトしたK562細胞では、JNKが活性化され、アポト−シスが誘導されたが、caspase-3様活性は未処理細胞に比べて増加しなかった。またMEKK1はゲラニルゲラニオ−ル処理により切断され、この切断とJNKの活性化はcaspaseの阻害剤であるZ-DEVD-FMKやZ-Asp-CH2DCBにより阻害された。これらの結果は、ゲラニルゲラニオ−ルによるJNKの活性化はcaspaseの活性化を必要としており、JNKはcaspaseの下流に位置していることが示唆された。