ABSTRACT 152(4-7)
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Myc依存的アポトーシスにおけるJNKとp38MAPKの関与:野口 耕司、北中 千史、 望月 俊宏、加々谷 重英、口野 嘉幸(国立がんセ・研・生物物理)

Involvement of JNK and p38MAPK in Myc-dependent apoptosis:Kohji NOGUCHI, Chifumi KITANAKA, Toshihiro MOCHIZUKI, Shigehide KAGAYA, and Yoshiyuki KUCHINO (Biophys. Div., Natl. Cancer Center Res.Inst.)

これまで、Myc-family 遺伝子(c-myc, s-myc)を細胞に過剰発現させると、血清除去や紫外線によるアポトーシス誘導に高感受性を示すことが我々や他のグループにより報告されてきた。この紫外線照射や血清除去よるMyc依存的アポトーシスでは、Bcl-2,Bcl-xLは核及び細胞形態の両変化を効果的に抑制するのに対し、caspase-inhibitorは核の形態変化を優先的に抑制する。本研究ではMyc依存的なアポトーシス誘導の紫外線照射による亢進への、ストレスキナーゼの関与の有無を検討した。その結果、UV照射によって、p38MAPKは親株Rat-1細胞、s-Myc高発現のRat-1/SM細胞両方で一過性に活性化された。一方、JNKは親株Rat-1細胞では一過性の活性化が認められたが、Rat-1/SM細胞ではアポトーシスに伴う持続的な活性化が認められた。さらに、JNKとp38MAPKの優勢変異体は、HeLa細胞における紫外線照射によるMyc依存的アポトーシスを抑制することが分かった。また紫外線照射によるJNKとp38MAPKの活性化はアポトーシスに伴うcaspaseの活性化以前に認められた。以上の結果より、Myc依存的アポトーシスの紫外線による亢進現象にはJNKやp38MAPKを含むシグナル伝達系路が関与しており、それがcaspaseの上流で機能していることが分かった。現在これらのキナーゼの基質の同定とcaspaseの活性化との相関について検討を行っている。