ABSTRACT 185(4-10)
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家族性胃癌における遺伝子異常の検索: 飯田聡1、秋山好光2、市川度1、山下俊樹1、野水 整3、仁瓶善郎1、杉原健一1、湯浅保仁21東京医歯大・医・2外、2同・衛生、3星総合病院・外)

Analyses of cancer-related genes in familial gastric cancers:
Satoru IIDA1, Yoshimitsu AKIYAMA2, Wataru ICHIKAWA1,Toshiki YAMASHITA1, Tadashi NOMIZU3, Zenro NIHEI1,Kenichi SUGIHARA1, Yasuhito YUASA2 (12nd. Dept. Surg., 2Dept. Hygiene & Oncol., Tokyo Med. & Dent. Univ. Sch. Med., 3Dept. Surg., Hoshi General Hosp.)

〔目的〕近年、家族性胃癌の発癌機構が注目されている。今までにマイクロサテライト不安定性(MSI)との関係を示唆する報告があり、最近では外国の家族性胃癌3家系においてE-カドヘリン遺伝子の生殖細胞突然変異が報告されている。今回、我々はMSIの標的遺伝子内の1塩基の繰り返し配列部位とE-カドヘリン遺伝子について解析した。〔対象と方法〕発端者を含め二親等以内に3人以上の胃癌患者が認められた9家系11例における癌組織、正常粘膜及び血液細胞からDNAを抽出した。MSIの標的遺伝子であるTGF-βII型レセプター(RII)の(A)10 、IGF2レセプター(R)の(G) 8及びBAXの(G)8領域についてPCR-SSCP解析を行った。またE-カドヘリンは異常が高頻度に検出されているエクソン6〜16について同法にて調べた。〔結果と考察〕1例の癌で、TGF-βRIIの(A)10部位とIGF2Rの(G)8部位に異常が認められた。 従って、家族性胃癌の一部ではHNPCCと類似した発癌機構が推測された。また、 E-カドヘリンは現在までのところ調べた範囲では異常は認められなかったので、我々の集積した家系ではこの遺伝子が原因である可能性は少ないと考えられた。現在、他の癌関連遺伝子についても検討中である。