ABSTRACT 190(4-10)
 一般演題一覧 トップ 


C群色素性乾皮症 (XPC) 蛋白質複合体のDNA損傷結合活性:菅澤 薫1, 内田章夫1,2, 益谷央豪2, 花岡文雄1,21理化研・細胞生理, 2阪大・細胞セ)

DNA damage-binding properties of the xeroderma pigmentosum group C (XPC) protein complex : Kaoru SUGASAWA1, Akio UCHIDA1,2, Chikahide MASUTANI2, Fumio HANAOKA1,2 (1Cell. Physiol. Lab., The Inst. Phys. Chem. Res. (RIKEN), 2Inst. Mol. Cell. Biol., Osaka, Univ.)

[目的]XPC蛋白質は、酵母RAD23遺伝子のヒト・ホモローグの一つ、hHR23B蛋白質と強固な複合体を形成しており、ヌクレオチド除去修復 (NER) に必須な因子である。この複合体のNERにおける機能を明らかにする目的で、主に無細胞NER反応系を用いた解析を行なった。
[方法と結果]損傷DNAと精製したXPC-hHR23Bを混合すると、両者が安定な複合体を形成する結果、後から別の損傷DNAと残りのNER因子を加えた際に、前者の損傷DNAが優先的に修復される現象を見出した。このXPC蛋白質複合体の占有は、非損傷DNAでは観察されないことから、この因子がDNA損傷に特異的に結合することが予想された。実際、抗XPC抗体を用いた免疫共沈降実験により、種々のNER損傷を与えたDNAに、XPC蛋白質複合体が特異的に結合することが示された。さらに、紫外線によって誘起される (6-4)光産物を一つ含むような特異的なDNA断片を用いたフットプリント法により、XPC蛋白質複合体が直接DNA損傷に結合することを確認した。
[結論]以上の結果より、無細胞修復系において、XPC蛋白質複合体が最初にDNA損傷を認識して結合し、NER反応を開始する因子であることが強く示唆された。