ABSTRACT 205(5-2)
 一般演題一覧 トップ 


Ras による形質転換に Rho-Rho-キナーゼ系の不活性化が寄与する: 井澤一郎1,2、天野睦紀1、山本隆晴1、貝淵弘三1 ( 1奈良先端大・細胞内情報、 2キリンビール基盤研 )

Inactivation of the Rho-Rho-kinase pathway contributes to the phenotype of Ras-transformed Rat1 fibroblasts. : Ichiro IZAWA1,2, Mutsuki AMANO1, Takaharu YAMAMOTO1, Kozo KAIBUCHI1 (1Div. of Signal Transduction, Nara Inst. Sci.Tech., 2Central Laboratories for Key Technology, Kirin Brewery Co. Ltd.)

癌遺伝子 Ras による細胞癌化の過程において、アクチン細胞骨格や細胞接着機構に大きな変化が生じることが知られているが、最近、Rho ファミリー低分子量G蛋白が、アクチン細胞骨格や細胞接着機構の制御に深く関わっていることが明らかになってきている。今回私共は、oncogenic Ras (V12-Ras) を inducible に発現できる Rat1 線維芽細胞株 (Rat1 RasVal A1) を用い、V12-Ras の発現によるアクチン細胞骨格や細胞接着機構の変化を観察し、これに種々のRho ファミリー低分子量G蛋白の dominant active or dominant negative mutants を共発現させ、その影響を検討した。V12-Rasの発現により、stress fiber ・細胞ー基質間接着・細胞間接着の減少を認め、これらの現象に、V12-Ras によるRho-Rho-キナーゼ 系の不活性化が寄与していることが認められたので報告する。