ABSTRACT 211(5-2)
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細胞増殖因子で発現誘導されるホスフォリパーゼCδ4のゲノム構造とプロモター領域の解析: 深見希代子、竹縄忠臣 (東大医科研、細胞生物化学)

Analysis of genome structure and promotor region of phospholipase Cδ4 induced by growth factors:
Kiyoko FUKAMI, Tadaomi TAKENAWA (Dept. Biochemistry, Inst. Medical Science, Univ.Tokyo)

我々はラット再生肝のcDNAライブラリーから、血清による増殖時や肝癌細胞、src/3Y1細胞などの癌細胞で特異的に発現が誘導されるホスホリパーゼCδ4(PLCδ4)のcDNAを単離した。しかしながら、PLCδ4が細胞内でどの様な機能を持ち、生体内で何れの役割を担っているかは明らかではない。そこでターゲテングマウスを作製すべく、まずPLCδ4のゲノムDNAを単離した。PLCδ4は18個のエクソンから構成され、全長は約25kbpであった。タンパク質翻訳開始コドンは第二エクソンに存在していた。次に単離したPLCδ4ゲノムから、プロモーター領域を解析した。種々の長さのゲノムDNAをpGL3ベクターにつなぎ、ルシフェラーゼ活性を測定した所、プロモーター活性に必須な約120bpの領域が明らかになった。更にこの120bpのDNAをプロ−ブとしてHeLa細胞からの核抽出物を用いてゲルシフトアッセイを行った所、血清、リゾホスファジン酸、ブラジキニン刺激依存的にプロ−ブと結合する蛋白質の存在が確認された。どの様な転写因子がPLCδ4の発現誘導に関与しているかは、現在検討中である。PLCδ4は、核内に存在することが明らかにされており、細胞増殖に伴う核内での役割が示唆される。