ABSTRACT 233(5-4)
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慢性リンパ性白血病におけるBCL-1/cyclin D1遺伝子内の欠失:細川好孝1、鈴木律朗、前田由美子1、城達郎、中村栄男、瀬戸加大11愛知がんセ・研・化療、2愛知がんセ・病・臨検)

A small deletion within the BCL-1/cyclin D1 oncogene in a patient with chronic lymphocytic leukemia: Yoshitaka HOSOKAWA1, Ritsurou SUZUKI1, Tatsuroh JOH1, Shigeo NAKAMURA2, Masao SETO1 (1Lab. of Chemotherapy, Aichi Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. of Pathol., Aichi Cancer Ctr. Hosp.)

「目的」BCL-1/cyclin D1癌遺伝子はマントル細胞リンパ腫等で過剰発現するその責任遺伝子であるこが知られている。今回、小さなサイズのBCL-1 mRNA(1.5-1.6kb)を過剰発現するB-CLLの症例を認めたので、その分子的基盤を明らかとすることを目的とした。
「方法」サザンブロット、ノーザンブロット、PCR法を用いてBCL-1遺伝子内の異常を解析した。
「結果」サザンブロット法により白血病細胞特異的に異常バンドが認められ、PCRとシークエンスにより3'非翻訳領域に122bpの欠失を見いだした。RNAレベルでも同一の欠失を認めた。白血病細胞での免疫染色では、BCL-1タンパク過剰発現を示す核陽性所見を認めた。
「結論」B-CLL白血病細胞において、BCL-1遺伝子の3'非翻訳領域に122bpの欠失を見いだした。この欠失がBCL-1 mRNAの半減期の延長、BCL-1タンパクの過剰発現につながり、白血病細胞にgrowth advantageを与えているものと考えられた。