ABSTRACT 239(5-4)
ヒトRBファミリーp107遺伝子の全体構造
市村浩一1、花房裕子2、滝本秀隆2、赤木忠厚1、清水憲二2(1岡山大・医・2病理、2病態遺伝子解析部門)
Genomic structure of the human retinoblastoma-related p107 gene: Koichi ICHIMURA1, Hiroko HANAFUSA2, Hidetaka TAKIMOTO2, Tadaatsu AKAGI1, Kenji SHIMIZU2 (12nd Dept. Pathology, 2Dept. Mol.Genet., Okayama Univ. Med. Sch.)
ヒトp107 遺伝子はRB遺伝子、 RB関連p130遺伝子と多くの構造的、機能的特徴を共有している。今回我々はヒトDNAを用いてクローニング、シークエンスによりp107蛋白をコードする遺伝子の構造を解析し全長にわたりエクソンーイントロンを決定した。このp107遺伝子には22のエクソンが90kbを超える長さのDNAに分散して存在している。個々のエクソンの長さは40bpから最長840bpであった。各エクソンの配置はRB遺伝子、RB関連p130遺伝子の配置と非常によく相関している。これに対してイントロンはもっとも長いイントロンは10Kbpを超えエクソンに比してRB関連遺伝子間で多様性に富んでいた。この知見はヒトの悪性腫瘍においてDNAを材料としてp107の異常を検索する際に重要な情報となりうると考える。また同時にわれわれはヒトB細胞リンパ腫のある細胞株においてp107 遺伝子内に欠損を生じていることを報告する。