ABSTRACT 256(5-6)
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MITF と PEBP2 の協調作用によるマウス・マスト細胞プロテアーゼ6遺伝子の転写調節:森井英一1、菅野智彦2、野村慎太郎1、伊藤嘉明2、北村幸彦11阪大・医・病理, 2 京大・ウイルス研・がんウイルス)

Synergy between MITF and PEBP2 in transcription of mouse mast cell protease 6 gene:Eiichi MORII1, Tomohiko KANNO2, Shintaro NOMURA1, Yoshiaki ITO2, and Yukihiko KITAMURA1 (1Dept. of Pathol, Osaka Univ. Med. Sch., 2Dept. of Viral Oncology, Inst. of Virus Res, Kyoto Univ.)

転写因子 PEBP2 (polyoma enhancer binding protein 2)は、α,β 2個のサブユニットからなるヘテロダイマーとして働き、c-Myb や Ets ファミリーなど他の転写因子と協調性に機能することが知られている。我々はこれまでmi 遺伝子座にコードされる転写因子 MITF がマスト細胞特異的に発現するマウス・マスト細胞プロテアーゼ6(MMCP-6) 遺伝子の転写を活性化することを明らかにした。MITF は MMCP-6 遺伝子のプロモーター領域に存在する GACCTG モチーフを介して転写を活性化するが、今回このモチーフに近接して PEBP2 認識モチーフ が存在することに着目し、MITF と PEBP2 の協調作用を解析した。Jurkat 細胞を用いたレポーターアッセイの結果、MITF, PEBP2 単独では MMCP-6 プロモーターをほとんど活性化しないのに対し、両転写因子が同時に存在すればMMCP-6 プロモーターが強く活性化されることがわかった。この協調性は MITF, PEBP2 各々の認識モチーフの変異により失われた。マスト細胞において PEBP2 遺伝子が発現しており、また PEBP2 のドミナントネガティブ変異体の強制発現によりマスト細胞株における MMCP-6 遺伝子の発現が抑制されることより実際マスト細胞においてPEBP2 と MITF の協調作用により MMCP-6 遺伝子の転写が活性化しているものと考えられた。