ABSTRACT 262(5-6)
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p300とATF-2によるc-jun遺伝子のトランス活性化とF9細胞の分化誘導:横山和尚1、川崎広明21理研・筑セ、2工技院・生命研)

p300 and ATF-2 are components of the DRF complex, which regulates retinoic acid and E1A-mediated transcription of the c-jun gene in F9 cells: Kazunari K. YOKOYAMA1, Hiroaki KAWASAKI2 (1Tsukuba Center, RIKEN., 2Natl. Inst. of Bioscience and Human Tech. MITI)

レチノイン酸、アデノウイルスE1A による胚性腫瘍細胞F9の分化誘導に必須なc-jun発癌遺伝子のトランス活性化に必要なシスエレメントDRE1) (Differentiation Response Element) を決定しDRF (Differentiation Regulatory factors) 複合体が結合する事を明らにしてきた2)。今回はDRF 複合体にはコアクチベータp300と転写因子ATF-2が含まれ、その各々が協調してDRE依存的な転写活性を示す事を明らかにした3)。失欠変異株の解析によりp300のBr-C/H2ドメインとATF-2 のprolineに富むアミノ酸112-350残基が会合する事、各々の強制発現によりDRE 依存的なDNA結合能と転写活性化能が一致する事を見い出した。更に、ATF-2変異株 (Ser121-Ala) はATF-2/p300-E2 によるE2/tk-luciferare の活性を増加させない又、このサイトはPKCαにより特異的にリン酸化される事よりPKCαによるATF-2のリン酸化はF9細胞におけるDRE依存性のc-junの活性化のシグナルカスケードに関与し、又、p300のリン酸化とあいまって細胞分化を決定していると推定される4)。
(Ref.)
1) I. Kitabayashi et al. EMBO J. 11, 167-175 (1992)
2) 〃 〃 EMBO J. 14, 3496-3509 (1995)
3) H. Kawasaki 〃 Genes & Dev. 12, 233-245 (1998)
4) 〃 〃 Nature in press