ABSTRACT 280(5-8)
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新規Zinc Finger 蛋白質CIZのCASTing解析:中元哲也1、山形哲也1、本田浩章1、上野博夫1、矢崎義雄1、平井久丸21東大・医・三内、2東大・医・無菌)

CASTing analysis of a novel zinc finger protein, CIZ : Tetsuya NAKAMOTO1, Tetsuya YAMAGATA1, Hiroaki HONDA1, Hiroo UENO1, Yoshio YAZAKI1, Hisamaru HIRAI2 (13rd Dept. of Intern. Med, Univ. of Tokyo, 2Dept. of Cell Therapy and Stem Cell Medicine, Univ. of Tokyo)

昨年の癌学会で我々は、細胞接着関連蛋白質p130CasのSH3領域に結合する蛋白質として、新規Zinc Finger 蛋白質CIZ (Cas interacting Zinc Finger Protein) のクローニングを報告した。CIZは、細胞内でCasと結合し、接着斑と核に局在する。そのことから、CIZは接着斑で生じたシグナルを核に伝えており、そのZinc Finger 部分でDNAと結合し、転写因子として働いていることが考えられた。
そこで、我々は、CIZのDNA結合コンセンサスをCASTing 法で決定することによって、CIZがどのような遺伝子の制御をしうるかを予想しようとした。FLAG-tagをつけたCIZとランダムオリゴマーを混合し、anti-FLAGで免疫沈降したものをPCRで増幅することを5回繰り返したあと得られたオリゴマーのDNA配列を調べた。このオリゴマーのほとんどはAAAAAという配列を含んでおり、これがCIZの結合コンセンサスであると考えられる。このような配列はコラゲナーゼなどMatrix Metalloproteinases (MMP)のプロモータ領域にしばしば認められる。コラゲナーゼのプロモータ領域に由来するAAAAAを含む配列はゲルシフト法でCIZと結合し、anti-CIZ抗体でスーパーシフトが認められた。このことから、CIZはコラゲナーゼなどMMPの制御を行っている可能性が示唆された。