ABSTRACT 287(5-8)
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ロイシンジッパーを介してアポトーシスを効率よく引き起こす新規遺伝子ASY の単離と解析:李勤、岡清正、吉岡直寿、中西一吉、井上寛一、羽倉明、湯通堂満寿男(阪大・微研・腫瘍ウイルス)

Isolation and characterization of a novel gene ASY which efficiently induces apoptosis through a leucine zipper-mediated mechanism:Qin LI, Kiyomasa OKA, Naohisa YOSHIOKA, Kazuyoshi NAKANISHI, Hirokazu INOUE, Akira HAKURA, Masuo YUTSUDO (Dept.of Tumor.Virology.,Res.Inst.for Microb.Dis.,Osaka Univ)

HeLa由来の腫瘍原性細胞株CGL4にヒト正常線維芽細胞から作成したcDNA発現ライブラリーを導入して、増殖能の抑えられた細胞を選択し、そこからcDNAを回収した。この遺伝子(ASY)は酸性領域 、proline rich領域 およびleucine zipper モチーフを持つ全長373アミノ酸の蛋白質をコードする新規遺伝子であった。mRNAは調べた全ての組織で発現しており、細胞周期によって変動することもなかった。ASY蛋白は分子量約43KDで、主として核周囲に 局在していた。細胞増殖への関与を調べるため、この遺伝子を導入てし薬剤耐性コロニー形成率を調べたところ、複数のがん細胞株及び正常細胞株において、ベクターのみを導入したコントロールと比べてコロニー数が顕著に減少した。遺伝子導入された細胞ではアポトーシス小体が見られ、caspase-3 活性が上昇し、アネキシンVによって染色されたので、ASYはアポトーシスを誘導する遺伝子であることが明らかになった。ASYによるアポトーシス誘導の機構を解析するため、変異株を作成して活性を調べたところ、ロイシンジッパーが重要であることが分かった。ASYはBcl-2 ファミリーやcaspase、death領域を持つ蛋白などともホモロジーがなく、新しい機構でアポトーシスを引き起こす遺伝子であると考えられる。