ABSTRACT 289(5-9)
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Cre-変異loxシステムを応用した遺伝子トラップ法による突然変異マウスの作出と解析:荒木喜美1, 荒木正健2, 山村研一11熊本大・医・発生遺伝、2熊本大・遺伝子実験施設)

Random mutagenesis by gene trapping using Cre-mutant lox system in ES cells : Kimi ARAKI1, Masatake ARAKI2, Ken-ichi YAMAMURA1 (1Dept. of Dev. Genet., Kumamoto Univ. Sch. of Med. 2 Gene Tech. Ctr., Kumamoto Univ.)

遺伝子トラップ法は、一言でいえば未知遺伝子のノックアウトマウスを作製する方法であり、未知遺伝子の単離とその個体レベルでの機能解析を同時に行えるので、この方法で変異マウスを数多く作出していくことは、新しい癌関連遺伝子の発見のための有効な手段である。
我々は、単なる遺伝子破壊型の変異を作り出すだけではなく、トラップベクター挿入部位に別の遺伝子も挿入できるようにするため、バクテリオファージP1由来のCre-loxシステムを利用し、ES細胞でDNAを部位特異的に挿入させる方法を開発した。この方法では、loxP 配列の右端を変化させたlox66 配列と左端を変化させたlox71 配列を用い、これらの間で組換えが起こるとwild typeのloxPと両端が変化した二重変異lox ができ、この二重変異lox はCreによって認識され難いため、挿入側に反応が傾く。トラップベクターにこのCre-変異loxシステムを用いることにより、トラップされた遺伝子のプロモーターのコントロール下に別の遺伝子を発現させることが可能となり、幅広い応用が期待できる。