ABSTRACT 293(5-9)
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RLGS法を用いて同定されたA群色素性乾皮症欠損マウスの紫外線誘発皮膚癌におけるゲノムの変化:竹内聖二1,吉川浩英2,米増理恵1,中津可道1,市川稔1,中根裕信3,松原謙一3,田中亀代次11阪大・細胞セ,2Laboratory of Human Carcinogenesis, National Cancer Institute, USA,3鳥取大・医・1解,4奈良先端大)

Genomic alterations detected by RLGS method in the UV-induced skin carcinogenesis of XPA deficient mice: Seiji TAKEUCHI1, Hirohide YOSHIKAWA2, Rie YONEMASU1, Yoshimichi NAKATSU1, Minoru ICHIKAWA1, Hironobu NAKANE3, Kenichi MATSUBARA4, Kiyoji TANAKA1 (1Inst. Mol. Cell. Biol., Osaka Univ., 2Laboratory of Human Carcinogenesis, National Cancer Institute, USA, 31st Dept. of Anatomy, Tottori Univ. Med., 4Nara Inst. Sci. Tech.)

【目的】A群色素性乾皮症 (XPA) 欠損マウスはXP患者と同様に低線量の紫外線によって高頻度に皮膚癌を生じる。我々はこの皮膚発癌に関わる遺伝子の変化を検出する目的で、RLGS法を用いて紫外線誘発皮膚癌に特異的に変化の見られたスポットについてDNAを単離し、解析を行った。【対象と方法】XPA欠損マウス由来の紫外 線誘発皮膚癌細胞株3例と皮膚癌組織3例、正常皮膚組織2例よりDNAを抽出し、NotI-EcoRV-HinfIを用いたRLGS法により2次元電気泳動を行い、共通に変化している減衰スポット10例についてDNAを単離した。さらに得られたDNAをプローブにしてサザン法およびノーザン法を行い、癌細胞で特有に遺伝子の構造および発現が変化している遺伝子の検索を行った。【結果】単離したDNA断片のうち7例においてサザン法によりゲノム構造の違いが認められた。その内、3例はデータベース検索により既知の遺伝子であることがわかった。また、他の1例は発現配列タグ(EST)データベースにて認められ、ノーザン法により癌細胞でのみmRNAの発現が認められた。【結論】XPA欠損マウスの皮膚発癌過程において高頻度にゲノム構造の変化が起こっていることが示唆された。現在これらのゲノムの変化と発癌の関連を調べている。