ABSTRACT 299(5-9)
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Frabin : Faciogenital dysplasiaの原因遺伝子FGD1と相同性の高い新規F-アクチン結合蛋白質 : 尾葉石浩1、中西宏之1、 萬代研二1、 佐藤啓子1、 佐藤綾子1、 高橋健一1、 宮原昌子1、 西岡秀夫1、 高石健司、 高井義美1,21科学技術振興事業団・ERATO・高井生体時系プロジェクト、阪大・医・分子生理化学)

Frabin : A novel FGD1-related F-actin-binding protein : Hiroshi OBAISHI1, Hiroyuki NAKANISHI1, Kenji MANDAI1, Keiko SATOH1, Ayako SATOH1, Kenichi TAKAHASHI1, Masako MIYAHARA1, Hideo NISHIOKA1, Kenji TAKAISHI2, Yoshimi TAKAI1,2 (1Takai Biotimer Project, ERATO, JST, 2Dept. Mol. Biol. & Biochem., Osaka Univ. Med. Sch.)

アクチン細胞骨格の再構成の分子機構を明らかにすることは、がんの浸潤、転移を理解する上で重要である。 私共はこの分子機構を明らかにする目的で、ラット脳より新規アクチン結合蛋白質の単離、同定を試みた。その結果、SDS-PAGE上分子量約105kDaの新規F-アクチン結合蛋白質(Frabin)を同定し、その遺伝子をクローニングした。FrabinはF-アクチンの側方に結合し、F-アクチン架橋作用を示した。Frabinの1次構造を解析した結果、Faciogenital dysplasia (Aarskog-Scott syndorome)の原因遺伝子FGD1と高い相同性を示した。FGD1は最近、Cdc42低分子量G蛋白質のGDP解離促進蛋白質(GEP)であり、Cdc42の活性化を介して、Swiss3T3細胞およびCOS7細胞でそれぞれ細胞形態変化およびc-Jun N-terminal kinase (JNK)の活性化を示すことが報告されている。FrabinもFGD1と同様に細胞形態変化およびJNKの活性化を認めた。FrabinのCdc42に対するGEP活性は現在検討中であるが、Frabinがアクチン骨格系とCdc42の連結分子であることが示唆された。