ABSTRACT 339(6-1)
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GM3 合成酵素の分子生物学的性質:石井睦1,2、 大田雅嗣1、齋藤政樹1,21北大・医・癌研生化学、2国立がんセ・研・ウィルス)

Molecular biological characterization of human GM3 synthase gene. (Atsushi ISHII1,2, Masatsugu OHTA1, Masaki SAITO1,2)

【目的】シアル酸は、細胞膜表面に存在する糖タンパク質や糖脂質糖鎖に含まれる酸性糖で、膜表面に負電荷を付与することで、癌の浸潤や転移に関与している。 また、シアロ糖脂質の一つであるガングリオシド GM3は骨髄性白血病細胞 HL-60 の単球・マクロファージ様細胞への分化誘導能を有することが知られており、この分化過程における GM3 の生理的役割を明らかにするために試みた GM3 合成酵素遺伝子のクローニングについては、第 56 回大会で発表した。本大会では、この遺伝子の分子生物学的特徴について報告する。
【方法と結果】ノーザンハイブリダイゼーション法によりヒトの各臓器における発現量を検討した結果、顕著な臓器特異性が認められた。興味深いことに、ヒトとマウスでは、本遺伝子の発現パターンに大きな差異が認められた。転写産物は一種類で、5'-RACE 法による結果と合わせ、本遺伝子は一つのエクソンで構成されていることが示唆された。現在、プロモーター部位の解析を行っているので、あわせて報告する。また、FISH 法により本遺伝子の染色体座位を決定した。