ABSTRACT 349(6-2)
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メタロプロテアーゼによるE-カドヘリンのcleavage及びその制御機構 :伊藤清治1,2,岡本勇1,河野吉昭1,藤山重俊2,冨田公夫2,三森龍之1,佐谷秀行1(1熊本大・医・腫瘍,2熊本大・医・三内)
 
Regulation of metalloprotease-dependent cleavage of E-cadherin: Kiyoharu ITO1,2,Isamu OKAMOTO1, Yoshiaki KAWANO1,Shigetoshi FUJIYAMA2, Kimio TOMITA2, Tatsuyuki MIMORI1, Hideyuki SAYA1 (1Dept. of Tumor Genet. Biol., 23rd Dept of Internal Med,・ Kumamoto Univ. Sch. of Med.)

【目的】接着分子や膜型増殖因子など細胞表面分子の中には,プロテアーゼにより切断を受けることによりその機能が調節されているものがあることがわかってきた。多くの上皮細胞の細胞間接着を担うE-cadherin分子も、そのsoluble form が培養細胞上清中や担癌患者の体液中で増加している事が報告されている。今回、我々はE-cadherinのcleavageに関わっているプロテアーゼの特性並びにその調節機構について解析することを目的とした。【方法】1.各種細胞株においてE-cadherinのcleavageの状態について細胞内ドメインに対する抗体を用いウエスタン法にて解析した。2.各種蛋白分解酵素阻害剤にてcleavage pattern の変化をみた。3. cell free system によりプロテアーゼの局在を検討した。4.各種成長因子及びmitogenによるcleavage patternの変化をみた。【結果・考察】cleavageは2ヶ所で起こっており、1ヶ所は細胞膜直上であり、もう1ヶ所は細胞膜内または細胞内ドメイン付近であると考えられた。それらのcleavageは細胞膜上のメタロプロテアーゼによって行われている事が示唆された。さらにこの切断は、ConAにより抑制されTGFbetaにより増強した事より細胞増殖シグナルによって制御されている可能性がある。現在この切断の細胞形質に及ぼす影響について解析中である。