ABSTRACT 360(6-2)
子宮平滑筋肉腫の腫瘍化へアクチン結合蛋白質カルポニンh1が関与する。:堀内晶子1、伊東和子1、二階堂敏雄1、谷口俊一郎2、藤井信吾3(信州大・医・1 産婦、2加齢適応研究センター、3京大・医・産婦)
Induced expression of calponin h1 in leiomyosarcomas reduces tumorigencity:Akiko HORIUCHI1, Kazuko ITO1,Toshio NIKAIDO1, Shunichiro TANIGUCHI2, Shingo FUJII3 (Dept. of 1Ob/Gyn,2Mol.Onc.Ang.,Shinshu Univ., 3Dept. of Ob/Gyn, Kyouto Univ. )
目的)アクチン結合蛋白質であるカルポニンh1の発現が子宮平滑筋肉腫で抑制されていることを見出したことから、子宮平滑筋肉腫とカルポニンh1の発現低下の関係を明らかにするために、子宮平滑筋肉腫細胞株SKNにカルポニンh1遺伝子を導入し、その腫瘍性格が消失するか否かを検討した。 方法)カルポニンh1のcDNAを発現型vector に組み込み、SKN細胞に電気穿孔法により導入し、G418で選択した。カルポニンh1導入SKN細胞の増殖形態、細胞増殖能、腫瘍形成能を比較した。成績)ベクター導入SKN細胞は不規則に配列し増殖するのに対して、カルポニンh1導入SKN細胞は細胞が規則正しく極性をもちながら増殖した。またカルポニンh1導入SKN細胞はMTT法にて40%の増殖が抑制され、colony formation assayで1/7のcolony形成しか見られなかった。結語)子宮平滑筋肉腫細胞株にカルポニンh1遺伝子を導入すると、増殖形態が正常平滑筋に類似し、増殖抑制も生じたことからカルポニンh1遺伝子の発現低下が平滑筋肉腫の腫瘍化に関与している可能性が示唆された。