ABSTRACT 389(7-3)
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フィブロネクチン分解浸潤モデルにおける基底膜浸潤に関与するシグナル伝達分子の解析:中原寛和1.2.3.4, Susette C. Mueller3, Yoshihiko Yamada4, Wen-Tien Chen3, 松矢篤三1 (1阪大・歯・一口外、2関西労災病院・歯口外、3Georgetown University Medical Center, 4NIDR, NIH)

Analysis of singaling molecule for invadopodia formation : Hirokazu NAKAHARA1.2.3.4, Susette C. MUELLER3, Yoshihiko YAMADA4, Wen-Tien CHEN3, Tokuzo MATSUYA1 (1st Dept. Oral and Maxillofac. Surg. Sch.Dent. Osaka Univ., Kansai Rosai Hosp. Dept. of Oral Surg., 3Georgetown University Medical Center, 4NIDR, NIH)

[目的]我々はフィブロネクチン-ゼラチン基質上で、細胞外基質との接着を直接担当していないインテグリンのリガンドを占有し、クラスタリングを誘導する刺激によって、癌細胞の基底膜浸潤を促進し得ることを報告した(J.B.C. 271, 27221.)。本研究ではこの浸潤現象を制御するシグナル伝達分子の解析を試みた。
[方法 ]ヒトメラノーマ細胞をフィブロネクチン基質上で培養し、β1インテグリンのクラスタリングのみを誘導する刺激またはβ1インテグリンのリガンドを占有し、クラスタリングを誘導する刺激で変化のみられるシグナル伝達分子の比較・検討を行った。
[結果・考察]インテグリンのリガンドを占有し、クラスタリングを誘導する刺激によって低分子GTP結合蛋白rhoの制御蛋白である p190rhoGAPの特異的なチロシンリン酸化の亢進がみられた。このチロシンリン酸化の亢進および浸潤の促進はβ1インテグリンのクラスタリングのみを誘導する刺激やチロシンリン酸化阻害剤を添加した群にはみられなかった。この刺激によりp190蛋白は浸潤突起(invadopodia)にある アクチンの起点に一致した染色性を示した。さらに抗p190抗体を細胞にマイクロインジェクトし、p190の活性を阻害することにより浸潤は阻害された。すなわち、p190rhoGAPは基底膜浸潤を誘導するシグナル伝達系に関与していることが示唆された。