ABSTRACT 435(8-2)
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Th1とTh2におけるLFA-1依存的細胞間接着機能の違いとそのin vivo抗腫瘍活性発現における役割:岩壁賢治1,2,八幡 崇1,2,大見 寧1,垣生園子2,西村孝司1, 21東海大・医・遺伝子工学,2東海大・医・免疫)

Kenji IWAKABE1,2, Takashi YAHATA1,2, Yasushi OHMI1, Sonoko HABU2, Takashi NISHIMURA1,2 (1Dept. Genetic Engineering, Tokai Univ. Sch. Med., 2Dept. Immunol., Tokai Univ. Sch. Med.)

[目的] 我々はこれまでIL-12活性化Th1細胞が抗腫瘍免疫誘導において重要なエフェクター細胞であることを報告してきた。今回は,TCRトランスジェニックマウスより誘導されるTh1,Th2細胞の細胞間接着分子の機能的違いについて検討をした。さらに,Th1細胞においてTh2に比べて機能的亢進が認められたLFA-1分子のin vivo抗腫瘍効果発現における役割についても検討を行ったので報告する。[方法および結果] Th1,Th2細胞はそれぞれDO10 OVA-TCRTgマウスよりIL-12+anti-IL-4の存在下,またはIL-4+anti-IL-12の条件下でOVA323-339ペプチド刺激で誘導した。IFN-γ産生を示すTh1細胞とIL-4産生を示すTh2細胞は、細胞間相互作用やリンパ球移住に重要な細胞間接着機能に大きな差が見られた。すなわち,Th1細胞は抗CD3抗体あるいはPMAの刺激によってLFA-1/ICAM-1依存的細胞凝集を示したが、Th2はその相互作用が認められなかった。しかし,インテグリンを介した細胞基質との接着においてはTh1とTh2においては顕著な差は認められなかった。そこで,Th1とTh2の間で最も大きな差異が認められたLFA-1を介した細胞接着のin vivo抗腫瘍効果発現における役割を明確にするために,Th1およびTh2を用いた癌免疫療法に対する抗LFA-1抗体の効果を検討した。その結果,Th1による癌治療効果は抗LFA-1抗体の投与によって強く阻害されたが,Th2による癌治療効果は軽度にしか抑制されなかった。以上のことからTh1,Th2細胞は共に抗腫瘍効果を示すが,それらのエフェクター機能に関わる細胞間接着機能は全く異なることが明確にされた。