ABSTRACT 439(8-2)
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LFA-1/ICAM-1を介した細胞接着の誘導機構:片桐晃子1,2, 木梨達雄, 入江伸吉, 田中啓二, 片桐拓也, 高津聖志(東大医科研・免疫,ニッピバイオマトリックス研,3都立臨床研・化学療法 ,国立精神神経セ・診断部)

Regulation of LFA-1 avidity i n HL-60 cells; Koko KATAGIRI1,2, Tatsuo KINASHI1, Shinkichi IRIE2, Keiji TANAKA3, Takuya KATAGRI4, Kiyoshi TAKATSU11Dept. of Immunol, Inst of Med.Sci, Univ.of Tokyo, 2Inst. of Biomatrix, Nippi Inc., 3Chemotherapy, The Tokyo Metropolitan Inst., 4Div.Biochem.Cell.Biol., Natl.Inst.Neurosci. )

(目的) 前骨髄性白血病細胞株HL-60を用いて、LFA-1の活性化とLFA-1を介した細胞凝集を区別して検討する系を見出し、その調節機序を解析するとともに、subtraction法を用いてLFA-1の活性化に関与する遺伝子のクローニングを試みた。(結果及び考察) HL-60細胞はLFA-1を発現しているが、そのリガンドであるICAM-1へ接着しない。レチノイン酸(RA)存在下でHL-60細胞を24時間培養するとLFA-1の発現量非依存性に、ICAM-1への接着が誘導されたが、細胞凝集には至らなかった。RA刺激HL-60に活性化Rasを強制発現することにより、顕著なLFA-1/ICAM-1依存性の細胞凝集を生じた。CytochalasinD、Rho阻害剤(C3毒素)及びTGFβは凝集の形成を抑制したが、LFA-1の活性化は阻止しなかった。従って細胞凝集にはLFA-1の活性化と低分子G蛋白質を介した細胞骨格系の変化との二つのステップが必要であることが判明した。更にLFA-1接着能の誘導がプロテアソーム阻害剤によって阻止されることを見出した。またそうした活性化がactinomycinDにより阻止されることから、新たな遺伝子の発現を必要とすることが明らかになったので、subtraction法とdifferential hybridyzation法を組み合わせて接着に関与する遺伝子のクローニングを試み、HSP90を単離した。