ABSTRACT 442(8-2)
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C型レクチン発現マクロファージによってアポトーシスを起こした細胞が認識されるという可能性について:多鹿友喜1、今井康之1、平野和也2、鈴木紀夫2、入村達郎11東大院・薬、2東大院・医)

Possible recognition of apoptotic cells by macrophages baering C-type lectins : Yuki TAJIKA1, Yasuyuki IMAI1, Kazuya HIRANO2, Norio SUZUKI2, Tatsuro IRIMURA1 (1Grad. Sch. Pharm. Sci., Univ. Tokyo, 2Grad. Sch. Med., Univ. Tokyo)

【目的】マクロファージはその貪食作用によりアポトーシス細胞を除去し、生体防御を担うとされる。胎児期、X線により障害を受けた細胞はアポトーシスを起こし、奇形の発生を抑制することが報告された。このX線で誘導されたアポトーシス細胞もマクロファージにより貪食されると考えられる。本研究ではマウスにおいてガラクトース/N-アセチルガラクトサミン特異的C型レクチンを発現したマクロファージがアポトーシスを起こしている細胞の近傍に分布することを示した。
【方法および結果】妊娠 10.5 日マウスにX線 2Gy を照射6時間後、胎児を摘出し、凍結切片とし、抗マクロファージC型レクチンモノクローナル抗体 LOM-14 を用いた免疫染色を行った。また、アポトーシス細胞の検出には、TUNEL法を用いた。アポトーシスの誘導は神経管で顕著であり、さらに、その周囲の結合組織にも見られた。LOM-14 陽性細胞は正常マウス胎児では結合組織にのみ存在するが、X線照射後はアポトーシスを起こした神経管内にも分布し、その細胞はアポトーシス小体に近接していた。組み換えマクロファージC型レクチンの結合部位を連続切片を用いて観察すると、アポトーシス小体に結合することが分かった。以上より、マクロファージが、レクチンによりアポトーシス細胞を認識する可能性が示された。