ABSTRACT 446(8-3)
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CEA抗原由来ペプチドによるHLA-A24拘束性CTLの誘導 : 松田健司1,谷村 弘1,角田卓也1,山上裕機1,岩橋誠1,田中 一1,糠谷育衛2,竹迫一任2
(和歌山県立医科大学第2外科1,宝酒造・バイオ研2

Induction of HLA-A24 restricted CTL with CEA antigen derived peptide: Kenji MATSUDA1,Hiroshi TANIMURA1,Takuya TSUNODA1,Hiroki YAMAUE1,Makoto IWAHASHI1,Hajime TANAKA1,Ikuei NUKAYA2,Kazutoh TAKESAKO2 (Second Dept.of Surgery,Wakayama Med.School1.Biotech.res.Lab.Takara Shuzo2

近年,種々の癌特異的抗原が明らかにされてきたが,腺癌に高率に発現しているCEA抗原に着目し,日本人の60%以上が保有するHLA-A24拘束性のCEA由来ペプチド特異的CTLの誘導について検討した.
<方法>HLA-A24の健常人及び癌患者の末梢血単核球(PBMC)よりGM-CSF,IL-4を用いて誘導したDendritic cell(DC)を抗原提示細胞として,CEA抗原由来ペプチド特異的CTLを誘導した.CEA由来抗原ペプチドとして,CEA(652〜660)を使用した.auto PBMCを用いた4回にわたる刺激後に細胞傷害活性とIFN-γ活性を測定した.同時に癌患者にても同様の方法で検討した.
<結果>健常人PBMCより誘導されたエフェクター細胞はペプチドをパルスしたTISI(HLA-A24 human B-lymphoblastoid cell line )と同時に腫瘍細胞株(HLA-A24,CEA+)に対して細胞傷害活性を示した.癌患者から誘導されたエフェクター細胞も同様の結果が得られた.
<結語>professional APCであるDCをstimulaterとして用いることにより癌患者からもCEA特異的CTLの誘導が可能であった.今後,DCをadjuvantとしたCEA由来抗原ペプチドによる癌ワクチン療法の可能性が示唆された.