ABSTRACT 449(8-3)
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MUC1 ムチン発現組み換えワクシニアウイルスを用いた MHC 非拘束性 MUC1 ムチン特異的細胞障害性 T リンパ球の誘導:伝田香里1, 宇野朋典2, 入村達郎11東大院・薬, 2日本新薬)

Recombinant vaccinia virus expressing human MUC1 mucin induces MHC-unrestricted MUC1 mucin specific CTL in mice.: Kaori DENDA1, Tomonori UNO2, Tatsuro IRIMURA1 (1Grad. Sch. Pharm. Sci., Univ. Tokyo, 2Nippon Shinyaku Co., Ltd. )

【目的】乳癌患者などでは MHC 非拘束性の MUC1 ムチン特異的細胞障害性 T リンパ球 (CTL) が誘導されることが知られている。CTL によるMUC1 ムチン認識における糖鎖の影響を調べる目的で、MUC1 ムチン発現組み換えワクシニアウイルス (rVV-MUC1) を作製し、これを用いてマウスに MUC1 ムチン特異的細胞障害性 T リンパ球の誘導を試みた。【方法と結果】MUC1 ムチン全長遺伝子を含む rVV-MUC1 を作製し、1×107pfu を尾静脈投与し C57BL/6 マウスを免疫した。3 週間後に脾細胞を採取し、O- 結合型糖鎖伸張阻害剤 Bzl-GalNAc 処理した MUC1 ムチン発現細胞(RMA-MUC1)と 6 日間共培養した。標的細胞として、RMA 細胞のバリアントで TAP 変異のために MHC class I を発現しない RMA-S 細胞に、MUC1 ムチンを遺伝子導入した RMA-S-MUC1 細胞を用いて CTL 活性を測定した。rVV-MUC1 免疫マウス由来リンパ球では、Bzl-GalNAc 処理 RMA-S-MUC1 細胞に対する細胞障害性が上昇した。【考察】マウスにおいて MHC 非拘束性 MUC1 ムチン特異的 CTL の誘導に初めて成功した。さらに、この CTL はグリコシレーションの程度の低い MUC1 ムチンを認識することが示唆された。[本研究は国立感染症研究所小島朝人博士との共同研究により行われた。]