ABSTRACT 450(8-3)
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マウスTL抗原特異的CTLクローンの細胞傷害機構の解析:辻村邦夫1,小幡裕一1,岩瀬 秀1,松平康枝1,八木田秀雄2,高橋利忠11愛知がんセ・研・免疫,2順天堂大・医・免疫)

Analysis of cytotoxic mechanisms of anti-TL CTL clones : Kunio TSUJIMURA1, Yuichi OBATA1, Shigeru IWASE1, Yasue MATSUDAIRA1, Hideo YAGITA2, Toshitada TAKAHASHI1 (1Lab. Immunol. Aichi Cancer Center Res. Inst., 2Dept. Immunol. Juntendo Univ.)

TL抗原はMHC class Ib群に属し、すべてのマウスの腸上皮細胞と特定のマウス(A系やBALB/c)の胸腺T細胞に発現する。正常胸腺には発現しないマウス(B6やC3H)でも、Tリンパ腫の発生に伴いTL抗原を発現する。H-2Kb promotorにより、B6由来のTL (T3b)遺伝子を発現させたC3Hマウス(Tg.Con.3-1)の皮膚片を、C3HおよびA系のTL (Tlaa-3)遺伝子を胸腺に発現するC3Hに移植して免疫し、TL拘束性のTCR alpha/beta型CTL cloneを多数樹立した。CTL cloneはTリンパ腫等のTL陽性細胞すべてをPerforin依存性に傷害する群(Type I)とTL陽性のCon A blastのみをFasLとPerforinの両方で傷害する群(Type II)に大別された。両群各4 cloneを解析して以下の知見を得た。(1) CTLのV beta usageと傷害活性の差異の間に相関はない。(2) Type IIはCon A blast以外のTL陽性細胞をも認識できるが、傷害できない。(3) FasL依存性の傷害活性はFasを発現しているCon A blastに対してのみ有効で、他の標的細胞はFas陰性である。(4) 両群とも同程度の量のPerforinを細胞質内に持つが、Type IがTCR/CD3刺激のみで脱顆粒するのに対し、Type IIの脱顆粒はTCR/CD3刺激に加え、Con A blastとの相互作用による副刺激が必要で、他の標的細胞との共培養では脱顆粒は誘発されない。以上の結果より、Type IIのPerforin依存性細胞傷害活性を惹起するにはType Iに比べてより強いシグナルが必要であることが示唆された。