ABSTRACT 454(8-3)
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srcファミリーキナーゼによるCTLA-4(CD152)細胞内領域のチロシンリン酸化の制御:宮武昌一郎1, 中世古知昭2, 大野博司2, 斉藤隆21東大・医科研・分子細胞制御, 2千葉大・院医・遺伝子制御)

Regulation of tyrosine phosphorylation of the cytoplasmic region of CTLA-4(CD152) by src family tyrosine kinases: Shoichiro MIYATAKE1, Chiaki NAKASEKO2, Hiroshi OHNO2, Takashi SAITO2 (1Dept. Mol. Dev. Biol., Inst. Med. Sci., Univ of Tokyo, 2Dept. Mol. Genetics, Grad. Sch. Med., Chiba Univ.)

(目的)CTLA-4(CD152)は、T細胞の活性化を抑制するシグナルを伝達する。CTLA-4の発現は、遺伝子の転写と細胞表面での発現量の二段階において制御される。CTLA-4の細胞内領域にアダプター複合体AP-2が結合するチロシンを含むモチーフ(Y-165VKM)があり、エンドサイトーシスに必要である。我々は、Y-165が非リン酸化状態において、AP-2と結合するという仮説を提起した。同じチロシンは、リン酸化状態において、チロシンフォスファターゼSHP-2やPI3キナーゼと結合する。このチロシンをリン酸化できるキナーゼの同定を試みた。
(方法)COSや293細胞にCTLA-4と様々なチロシンキナーゼをトランスフェクションし、抗CTLA-4抗体によりCTLA-4を免疫沈降し、抗リン酸化チロシン抗体でウェスタンブロットをおこなった。
(結果・結論)srcファミリーのfyn、lyn、lckによりCTLA-4はリン酸化され、またこれらのキナーゼは、CTLA-4に結合した。細胞内領域にあるふたつのチロシン(Y-165、Y-182)に、またチロシン以外の部位にも結合する。fynは、SH2ドメインとSH2、SH3、fyn ユニークの各ドメイン以外の部位を介して結合する。したがって、CTLA-4の1分子は多数のチロシンキナーゼ分子と結合しうる可能性が示唆された。