ABSTRACT 455(8-3)
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ONO-4007治療ラットにおける抗腫瘍特異的免疫応答の誘導:松下和裕、小原効、小林正伸、守内哲也、細川真澄男北大・医・癌研病理、癌研細胞制御)

Specific anti-tumor immune response in rats treated with ONO-4007: Kazuhiro MATSUSHITA1, Masanobu KOBAYASHI1, Manabu OBARA1, Tetsuya MORIUCHI2, and Masuo HOSOKAWA1 (1Lab. of Pathol., 2Lab. of Cell Biol., Cancer Inst., Hokkaido Univ. Sch. of Med.)

【目的】我々は、ラット肝癌KDH-8坦癌ラットにLipid A誘導体ONO-4007を投与すると腫瘍組織局所にTNF-aが産生され、腫瘍が完全治癒することを報告した。今回、TNF-αの役割と腫瘍特異的免疫応答を検討した。
【材料と方法】(1)ラット肝癌細胞株KDH-8移植後day7、14、21にONO-4007を投与し、治療効果を判定した。(2)ONO-4007投与前に抗TNF-α抗体を投与して腫瘍局所におけるTNF-αを測定した。(3)ONO-4007投与後治癒したラットにKDH-8、KEG-1を再移植し、腫瘍形成を観察した。(4)Winn assayにて治癒ラットの抗腫瘍免疫応答の特異性を検討した。(5)同様に脾細胞よりCD4陽性細胞、CD8陽性細胞をenrich後Winn assayを行った。
【結果】(1)抗TNF-α抗体を投与すると腫瘍局所におけるTNF-αは著明に低下した。(2)抗TNF-α抗体を投与すると治療効果が消失した。(3)治癒ラットに再移植されたKDH-8は拒絶されたが、KEG-1は生着した。(4)Winn assayではKDH-8のみが退縮した。(5)CD4陽性細胞をenrichしたWinn assayによってKDH-8が退縮した。
【考案】ONO-4007投与後のTNF-α産生誘導が治療効果発現に必須であり、その後にCD4陽性細胞依存性の特異的抗腫瘍免疫応答が誘導されることが明らかとなった。