ABSTRACT 456(8-3)
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ノックアウトマウスを用いたIFN-γの抗腫瘍作用の解析:角田茂1,田川陽一1,南野昌信2,岩倉洋一郎11東大医科研・実験動物、2ヤクルト中央研・免疫)

Analysis of antitumor effects of interferon-γ using knock-out mice : Shigeru KAKUTA1, Yoh-ichi TAGAWA1, Masanobu NANNO2, Yoichiro IWAKURA1 (1Lab. Animal Res. Ctr., Inst. of Med. Sci., Univ. of Tokyo, 2Yakult Central Inst. for Microbiol. Res.)

インターフェロン(IFN)は多様な生物活性を持ち、その中で、細胞増殖の抑制活性と、免疫系の活性化能が、抗腫瘍作用に重要な役割を果たしていることが示唆されている。しかし、実際のIFNが生体の中でどのようなメカニズムによって抗腫瘍作用を発揮しているかは、これまで検証されていない。本研究では、IFN-γの抗腫瘍作用が直接作用によるものか、宿主免疫系を介するものなのかを明らかにするために、IFN-γノックアウト(KO)マウス、およびIFN-γレセプター(R)KOマウスを用い、B16メラノーマ細胞に対する抵抗性を検討した。その結果、IFN-γKOマウスでは肺、および肝に転移数が約10倍増加するのに対し、IFN-γRKOマウスでは転移数が全く増加しないことが分かった。この結果、生理状態に於けるIFN-γの抗腫瘍活性は、免疫系の活性化ではなく、直接的な細胞増殖抑制によるものであることが分かった。