ABSTRACT 471(9-1)
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ヒトインターロイキン1β遺伝子導入はマウスルイス肺癌細胞のin vivo 増殖を促進する
西條康夫、臼井一裕、鈴木拓児、田澤立之、松原信行、佐藤研、貫和敏博(東北大・加齢研・呼吸器腫瘍)

Promotion of in vivo tumor growth of Lewis lung carcinoma by human IL-1βgene transduction
Yasuo SAIJO, Kazuhiro USUI, Takuji SUZUKI, Ryushi TAZAWA, Nobumichi MATSUBARA, Ken SATOH, Toshihiro NUKIWA ( Dept. of Resp. Oncol. & Mol. Med., Inst. Dev. Aging. & Cancer. Tohoku Univ., )

[目的] 炎症性サイトカインであるヒトインターロイキン1β(IL-1β) はがん細胞の増殖を抑制するとする報告と促進するとする報告が半ばする。そこでヒトIL-1β遺伝子をルイス肺癌細胞 (LLC) に導入し、癌細胞増殖能への影響を検討した。[方法]ヒト成長ホルモンシグナルシークエンスcDNAとヒトIL-1βcDNAをレトロウイルスベクターpLXINに組込み、レトロウイルスを作製後、LLCに感染させ、G418で導入細胞を選択した。LLC細胞5x105をマウスの皮下に移植し、腫瘍のサイズを経時的に測定した。[結果] LLC/IL-1βは培地中に1.4ng/106/24hrのIL-1βを産生していた。in vitro における増殖速度はコントロール細胞 (LLC/pLXIN) と同程度であった。しかし、マウス移植後、 LLC/IL-1βは急速に増大しコントロールに比べ2週間後の腫瘍体積は2.5倍を示した。[考察] ヒトIL-1β遺伝子導入により、LLCは成熟型のIL-1βを分泌し、in vivoにおける 増殖促進効果を示した。増殖促進効果は腫瘍局所環境におけるautocrine/paracrine によると考えられる。