ABSTRACT 478(9-1)
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骨髄性白血病細胞の分化誘導と増殖停止に必要なLIFレセプターの構造と機能:冨田幹夫1,平家俊男2,横田崇21埼玉がんセ・研,2東大・医科研・幹細胞制御)

Cytoplasmic domains of leukemia inhibitory factor receptor that are required for inducing differentiation and growth arrest in myeloid leukemic cells : Mikio TOMIDA1,Toshio HEIKE2,Takashi YOKOTA2 (1Saitama Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. Stem cell regulation, Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

白血病抑制因子(LIF)/分化促進因子(D因子)は骨髄性白血病細胞の増殖を抑制し、マクロファージへの分化を促進する。高親和性LIFレセプターはLIFレセプター鎖とgp130から構成される。gp130と比較して、LIFレセプター鎖のシグナル伝達における役割はまだ不明な点が多い。私たちはヒトGM-CSFレセプターα鎖またはβ鎖の細胞外領域と、マウスLIFレセプターの細胞内領域を持つキメラレセプターを作製し、マウス骨髄性白血病細胞M1とWEHI-3B細胞に導入した。α鎖とβ鎖の両方のキメラレセプターを発現している細胞はヒトGM-CSFに依存して分化した。この結果はgp130の関与なしで、LIFレセプター細胞内領域のホモダイマーが分化シグナルを伝達できることを意味している。そこで、骨髄性白血病細胞の分化誘導と増殖停止に必要なLIFレセプターの細胞内領域と、シグナル伝達因子を明らかにするために、キメラレセプターの欠失変異体とチロシン残基の変異体を作製して解析をおこなつた。その結果、LIFレセプターにある3個のYXXQモチーフの中で、C末端側の2個のYXXQモチーフはWEHI-3B細胞の分化誘導と増殖抑制に重要な役割を果たしていることが明らかになった。シグナル伝達経路ではSTAT3のリン酸化と分化誘導とに相関性が認められた。