一般演題

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胃癌細胞へのアポトーシス誘導関連遺伝子導入による抗癌剤感受性増強の検討：金　隆史，大井裕子，井上秀樹，入江秀明，青儀健二郎，峠　哲哉（広島大・原医研，腫瘍外科）

A new strategy for cancer chemotherapy by introducing apoptosis-related genes in gastric cancer cells: Ryungsa KIM, Yuko OHI, Hideki INOUE, Hideaki IRIE, Kenjiro AOGI, Tetsuya TOGE (Dept. of Surg. Oncol., R. I. R. B. M., Hiroshima Univ.)

(目的)：胃癌細胞へのアポトーシス誘導関連遺伝子gadd153，bcl-Xsおよびbaxの導入による抗腫瘍効果増強を検討した．(対象および方法)：細胞は8株，制癌剤は5剤，転写因子はゲルシフト法，関連遺伝子の発現はノーザン法，ウエスタン法，制癌剤感受性はMTT法，アポトーシス誘導はDNAの断片化で判定した．遺伝子導入はリポフェクション法で行った．(結果および考察)：8株におけるgadd153，bcl-Xsおよびbaxの発現量はDNAの断片化と有意の相関が認められた．MKN45への遺伝子導入は，AP-1依存性薬剤CDDP、VP-16，bcl-Xs, baxの導入はそれぞれVP-16、TaxotereおよびCDDP、VP-16、Taxotereに対する感受性の増加を認めた．感受性の増加はアポトーシス誘導増強に一致していた．各誘導遺伝子の導入クローンは他の二つの関連遺伝子の過剰発現を認め，誘導遺伝子間の相互作用が示唆された．以上から，アポトーシス誘導関連遺伝子導入による特定抗癌剤の感受性増加が示され，新しい癌化学療法の可能性が示唆された．