ABSTRACT 601(12-6)
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新nucleoside系代謝拮抗剤gemcitabineおよびara-CのDNA鎖への転入:岩崎博道1, William Plunkett2, 中村 徹1, 上田孝典11福井医大・1内, 2テキサス大・MD Anderson Cancer Center)

Incorporation of new nucleoside analog, gemcitabine and ara-C into DNA: Hiromichi IWASAKI1, William PLUNKETT2, Toru NAKAMURA1, Takanori UEDA1 (1Dept. of 1st Internal Med., Fukui Medical School, 2Dept. of Clinical Inv., MD Anderson Cancer Center, Univ. of Texas, USA)

[目的]正常のnucleosideであるdCydの複製DNAへの代謝はribonucleotide reductase (RR)により制御されている。本研究はDNA 鎖に取り込まれ抗腫瘍効果を発揮するnucleoside系代謝拮抗剤の白血病細胞におけるDNAへの転入経路を明らかにし、新たなbiochemical modulationを考案することを目的とした。
[方法]CEM細胞を用い、アルカリ性CsCl密度勾配超遠心法により、複製DNAと修復DNAとを分離し、それぞれの分画に取り込まれた[3H]dCyd, [3H]gemcitabine (dFdC), [3H]ara-Cを測定した。さらにhydroxyurea (HU)またはdFdC非ラベル体の存在下における[3H]ara-Cの転入様式の変化を検討した。
[結果]転入されたara-Cの60%は修復DNA 分画に存在し、複製DNA分画よりも高いpeakを示した。dCydもara-Cに類似したが、dFdCは主に複製DNA分画に集積した。dFdCの存在下ではara-CのDNAへの転入のpeakが複製分画にシフトし、総転入量も増加した。この結果はHUを添加した場合と同様であった。
[結論]白血病細胞においてara-Cは複製および修復の両経路を介してDNAに転入することが示された。またara-Cの複製DNAへの転入はdFdCおよびHUにより増強することより、RR阻害作用を有する薬剤がara-Cの抗腫瘍効果を生化学的に修飾する可能性が示唆された。