ABSTRACT 607(12-6)
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DHCPおよびその誘導体-(2): マウス可移植癌に対するDHCPおよびその誘導体のin vivo抗腫瘍作用:冨永隆生西山英治、加藤郁之進(宝酒造バイオ研)

DHCP and its derivatives-(2):Anti-tumor effect of DHCP and its derivatives on murine transplantable tumors in vivo : Takanari TOMINAGA, Eiji NISHIYAMA, Ikunoshin KATO (Biotech. Res. Lab.,TaKaRa Shuzo Co.,Ltd. )

[目的]昨年の本大会において、ウロン酸化合物を加熱することにより生成される4,5-dihydroxy-2-cyclopenten-1-one (DHCP) の in vivo 抗腫瘍活性について報告した。今回、DHCP誘導体を用いて担癌マウスにおける抗腫瘍作用を検討した。[方法]腹水型癌モデル:マウスの腹腔内に P-388を移植し、移植後DHCPまたはその誘導体を腹腔内投与して生死を観察した。固形型癌モデル:マウス背側部にMeth-Aを移植し、移植日または移植7日目よりDHCPまたはその誘導体を腫瘍内投与し、移植14日後の腫瘍重量を測定した。[結果]P-388腹水型癌モデルにおいてDHCP誘導体は 1mg/kg の投与から明らかな延命効果が認められた。Meth-A固形型癌モデルにおいてDHCP誘導体は 1mg/kg の投与より有意な抑制効果を示し、10 mg/kg の投与で腫瘍は完全に消失した。DHCP誘導体によるこれらの抗腫瘍作用はDHCPと比較し、強いものであった。現在、これら化合物の薬理学的作用メカニズムの解析を進めており、この結果も合わせて報告する。