ABSTRACT 609(12-6)
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新規分化誘導剤cotylenin Aによる白血病細胞の分化誘導機序: 本間良夫1、粕壁隆1、角純子1、山口ゆり1、山田一成2、友安茂2、旭健一3 (埼玉がんセ・研、昭和大・血内、理研・生体膜)

Mechanism of cotylenin A-induced differentiation on human myeloid leukemia cells: Yoshio HONMA1, Takashi KASUKABE1, Junko KADO1, Yuri YAMAGUCHI1, Kazunari YAMADA2, ShigeruTOMOYASU2, Ken-ichi ASAHI3 (1Saitama Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. Hematol., Showa Univ., 3RIKEN)

 植物生長調節因子として単離されたcotylenin Aは、ヒト骨髄性白血病細胞に対し強い分化誘導活性を有し治療薬としての可能性が示唆されている。 特に、前骨髄球性白血病細胞NB4においてはレチノイン酸以外では最も強力な分化誘導物質であり、レチノイン酸耐性のNB4細胞に対しても有効であることからレチノイン酸に次ぐ分化誘導剤としての可能性が示唆された。 この新規誘導剤の作用機序を、他の誘導物質やシグナル伝達阻害剤との併用効果を検討し推察した。
 cotylenin Aによる分化誘導に対する各種シグナル伝達阻害剤の効果を検討したが、有意に影響を及ぼす薬剤が認められなかった。 他の分化誘導剤との併用効果では、誘導剤との組み合わせでその効果は著しく異なっていた。 VD3との併用は顕著な相乗効果が認められたが、酪酸との併用は無効であった。 既知の分化誘導物質との併用効果から検討すると、今までの誘導物質とは多くの異なる点が認められ新しいタイプの分化誘導物質であると推察された。