ABSTRACT 613(13)
CTL養子免疫療法モデルを用いたIL-12のin vivoにおける抗腫瘍効果の検討 : 花桐武志1, 今林 悟1, 吉野一郎1, 菅谷将一1, 安田 学1,宗 知子1, 榮福亮三1,竹之山光広1, 市吉裕二1, 野本亀久雄2 安元公正1 (1産医大・二外, 2九大・生医研・免疫)
In vivo anti-tumor effect of human IL-12 on adoptive immuno-therapy using IL-2/IL-12 in SCID mice engrafted with human adenocarcinoma : Takeshi HANAGIRI1,Satoshi IMAHAYASHI1, Ichiro YOSHINO1,Shoichi SUGAYA1, Manabu YASUDA1, Tomoko SO1, Ryozo EIFUKU1, Mitsuhiro TAKENOYAMA1, Yuji ICHIYOSHI1, Kikuo NOMOTO2, Kosei YASUMOTO1 (1Dept. of Surg.II, Univ. of Occup. & Environ. Health, 2Dept. Immunol., Med. Inst. Bioregulation, Kyushu Univ.)
【目的】ヒト肺腺癌細胞株移植SCIDマウスに対するCTLを用いた養子免疫療法モデルにおけるIL-12のin vivoでの効果を検討した。【方法】1) HLA A2/A24陽性肺癌患者の所属リンパ節リンパ球より、不活化したヒト肺癌細胞株PC-9(HLA-A2/A24)にて刺激を繰り返しanti-PC-9 CTLを誘導した。2) PC-9 (1x 107)をSCID マウスに移植し, 腫瘍移植後7日目より無作為に各群に分け腫瘍体積を経時的に測定した。I 群(無治療), II群(CTLのみ), III群(CTL+IL-12), IV群(CTL+IL-2), V群(CTL +IL-2+IL-12)。anti-PC-9 CTL (2.5x106 /body, 4 回/ 2week)はマウス尾静脈より静注, IL-2(5000IU/ body /day, 2week)およびIL-12(0.5μg /body, 7回 / 2week)は皮下注した。【結果】 II群, III群では, I群に比べ腫瘍増殖抑制効果は認められたが、完全腫瘍退縮までは認めなかった。IV群, V群では著明な腫瘍退縮効果が認められ、それぞれ 8匹中1匹, 8匹中4匹において腫瘍完全退縮を認めた。また, III群, V群のマウスの血清中には, それぞれ13.0 pg/ml, 14.4 pg/mlのhuman IFN-γ の産生が認められた。【結語】SCIDマウスを用いたCTL養子免疫療法においてIL-2とIL-12を併用することにより, 治療効果が増強され, in vivo におけるIL-12 の有用性が示唆された。