ABSTRACT 615(13)
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自己腎細胞癌に対する特異的細胞傷害性リンパ球(CTL)の誘導:河合弘二1,2, 劉 書欽1, 西條 薫1,橋崎和子, 林 独志1,2 , 赤座英之2 , 大野忠夫11理研・細胞開発銀行, 2 筑波大・医・泌)

Induction of cytotoxic T lymphocyte against autologous renal cell carcinoma: Koji KAWAI1,2, Shu Qin LIU1, Kaoru SAIJO1, Kazuko HASHIZAKI1, Hitoshi HAYASHI1,2, Hideyuki AKAZA2, Tadao OHNO1 (1RIKEN Cell Bank, RIKEN, 2Dept. Urol. ,Sch. Med., Tsukuba Univ.)

[目的] 我々は4種のサイトカインを用いて癌細胞あるいは癌組織と末梢血単核球を混合培養することでCTLが誘導されることを報告してきた。今回は、10例の自己腎癌細胞に対するCTLの誘導を行い自己腎癌細胞及び非自己腎癌細胞に対する傷害活性について検討した。
[方法] 手術検体より樹立した腎癌細胞にX線照射を行った後、自己末梢血単核球と混合培養した。培地にはIL-1、IL-2、IL-4、IL-6を添加した。誘導したリンパ球の自己腎癌細胞、非自己腎癌細胞及び自己正常腎細胞に対する傷害活性をCrystal Violet染色法を用いて検討した。
[結果・考察] 10例中9例において自己癌に対して傷害活性を示すCTLが誘導された、内2例ではphenotypeはCD4優位であった。非自己由来の腎癌細胞に対しては検討した8例中6例のCTLは傷害活性を示さなかったが、2例では一部の非自己腎癌に傷害活性を示した。6例において正常腎細胞に対する傷害活性を検討したが、CTLは正常腎細胞には活性を示さなかった。以上より、自己癌細胞が得られれば上記のサイトカインの組み合わせによる培養法は高率に自己癌特異的CTLを誘導可能であり有用であると考えられる。(本研究は一部科技庁振調費による)