ABSTRACT 619(13)
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T細胞レセプター(TCR)intermediate 細胞とTCRbright 細胞の中程度のTCRを発現するT細胞を認識するモノクローナル抗体(U1B3.3)の特徴および抗腫瘍効果:五十嵐美徳、丸岡秀範、篠原浩一、若杉尋(国立がんセ・研・薬効、)

Characterization and antitumor effect of unique T cells recognized by U1B3.3 monoclonal antibody: Yoshinori IKARASHI, Hidenori MARUOKA, Kouichi SHINOHARA, Hiro WAKASUGI (Pharmacology Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

【目的】通常のT細胞よりT細胞レセプター(TCR)の発現が弱いTCRint細胞は 抗腫瘍活性を持つNKT細胞を含んでいる。われわれはNKT細胞様リンパ腫細胞株を免疫することによりTCRint細胞とTCRbright細胞の中間のTCRを発現しているT細胞を認識するモノクローナル抗体(U1B3.3)を得た。U1B3.3抗体が認識するT細胞亜集団の性状および抗腫瘍活性について解析を行った。
【方法】C57BL/6マウスの各臓器より単核細胞を分離し、 U1B3.3抗体および各種モノクローナル抗体を用いて、フローサイトメーターにより解析を行った。またU1B3.3+ T細胞をセルソーターにより分離し、IL-2存在下で培養を行い、その7日後に細胞傷害活性およびNK1.1の発現について解析を行った。
【結果および考察】1)U1B3.3+ T細胞はTCRint細胞とTCRbright細胞の中間程度のTCRを発現し、IL-2Rβ鎖をTCRint細胞と同じレベルに発現あるいは弱く発現していた。 2)IL-2存在下で培養後、U1B3.3+ T細胞の一部はNK1.1を発現し、またYAC-1細胞に対する細胞傷害活性を有した。以上の結果よりU1B3.3+ T細胞はTCRint細胞あるいはNKT細胞とは異なるが、TCRint細胞に近い機能を持つ細胞群であると考えられる。