ABSTRACT 623(13)
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IL-12の抗転移作用におけるperforinの重要性:小玉智宏1.2、竹田和由2、砂村眞琴1、小針雅男1、松野正紀1、八木田秀雄2、 奥村康21東北大・医・一外、2順天堂大・医・免疫)

Perforin requirement for anti-metastatic effect of IL-12 : Tomohiro KODAMA1 2 , Kazuyoshi TAKEDA2 , Makoto SUNAMURA1, Masao KOBARI1, Seiki MATUNO1 , Hideo YAGITA2 , Ko OKUMURA2 (1Dept. 1st. Surg., Tohoku Univ. Sch. Med.2,Dept.Immunol., Juntendo Univ. Sch. Med.)

【目的】IL-12による抗転移作用は、主にNK1+CD3+のNK1+T細胞が中心となっている。今回我々はこの抗転移作用において、effector細胞のperforinが重要である結果が得られたので報告する。
【方法】肺転移腫瘍であるB16 melanomaを用い、尾静注し2週間後に肺転移結節数を数えることで抗転移効果を評価した。(1)control群、(2)mIL-12(3000U/body)腹腔内投与群、さらに(3)抗AsGM1抗体(NK細胞除去)、(4)抗NK1抗体(NK細胞およびNKT細胞除去)を尾静注した後、mIL-12を投与した群の以上4群、および抗IFN-γ抗体、抗TNF-α抗体、抗FasL抗体を投与した系を用いC57BL/6にてFas/FasL等の関与を検討した。さらに、pfp(-/-)、gld/gld mouseを用い解析を行った。同時に上記3種類のmouseでmIL-12腹腔内投与後に肝臓のリンパ球を分離し細胞傷害活性を検討した。
【結果】1)IL-12投与により認められる抗転移効果は抗NK1抗体投与群で認められなかった。また抗AsGM1抗体投与でも転移結節数が増加したもののcontrol群よりは減少していた。2)抗IFN-γ抗体投与群では、IL-12による効果は減弱したが、抗TNF-α抗体、抗FasL抗体投与群では認められなかった。3)gld/gldではC57BL/6とほぼ同様にIL-12投与による抗転移効果を認めたが、pfp(-/-)では認めなかった。4)C57BL/6、gld/gldではIL-12投与により細胞傷害活性の増強をほぼ同等に認めたが、pfp(-/-)では増強を認めなかった。
【考察】B16の肺転移の系においてもIL-12の抗転移効果が認められた。NK1+T細胞にIL-12投与後のperforin mRNAの誘導が最も強く認められ、実際にIL-12の抗転移効果にはNK1+T細胞及びNK細胞のperforinが主要なeffector moleculeとして関与していることが示された。