ABSTRACT 655(15-2)
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腫瘍特異的プロモーター制御下変異イオンチャンネル発現による癌治療:堀本雅祥1,佐々木裕1,伊藤敏文1,和田滋夫1,外山 隆1,田中好男1,笠原彰紀2,林 紀夫1,堀 正二11阪大医・一内,2 医・総合診療)

Mutated mammalian degenerin expression disrupt cancer cells by tumor-specific promoters: Masayoshi HORIMOTO1, Yutaka SASAKI1, Toshifumi ITO1, Shigeo WADA1, Takashi TOYAMA1, Yoshio TANAKA1, Akinori KASAHARA2, Norio HAYASHI1, Masatsugu HORI1 (1First Dept. of Med., 2Dept. of General Med., Osaka Univ. Sch. of Med.)

[目的]癌に対する遺伝子治療の臨床応用を考えると、癌細胞のtargetingは重要で、腫瘍特異的プロモーターを利用した遺伝子発現制御は有用な手段である。その代表であるAFP, CEAプロモーターは特異性はあるがウイルスプロモーターに比べ活性が低いことが問題点である。我々は、少量の発現にても癌細胞を破壊しうる方法を検討した。[方法]inward currencyを示すエネルギー非依存性のNaイオンチャンネル(MDEG)cDNAをもとに1アミノ酸変異体を作製した。AFP産生CEA非産生肝癌細胞株HepG2とAFP非産生CEA産生胃癌細胞株MKN45を用いて、CMV, AFP, CEAプロモーター下にそれぞれ変異イオンチャンネルcDNAを組み込んだ発現プラスミドを作製した。 [結果]遺伝子導入された腫瘍細胞はmutant発現により破裂した。HepG2ではAFPプロモーター制御発現プラスミドで、MKN45ではCEAプロモータープラスミドにてCMVプロモータープラスミドと同様の殺細胞効果を示した。[まとめ]活性は低くとも特異性の高い腫瘍特異的プロモーター制御下に変異Naイオンチャンネルを発現させる事で、極めて効果的な癌治療を行える事が示唆された。